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ネットで小論文講座 基礎編 第1講 

【「まず字数が書けるようになろう」という優先順位もやめるべき】

 

§1 優先順位を作り直そう

 いわゆる「樋口式」の本がバカ売れした理由は、何をどう書いて良いかわからない「五里霧中(ごりむちゅう)」の生徒さんたちにとって、分量が書ける具体的な技術を樋口先生が伝授してくれたからでしょう。

 しかし、第0講で整理したように、いくら字数が埋まっても、読者が理解できるように書けていなければ(そして、今後教える「合格する小論文の条件」を満たしていなければ)、小論文で合格点はもらえないと言っても過言ではないでしょう。

 そこで、私がここで勧めたいのが、「ある程度、読者が理解できるように小論文が書ける自信がつくまでは、むしろ字数は気にしない」という方針です。字数を気にするより、内容を気にする。こういう姿勢を作ろうと努力することで、当然のことですが、字数よりも内容が良くなっていきます。

 さらに、内容が良くなるにつれて、「小論文では何を(=どういう要素を)書かなければならないのか」が、頭だけでなく、体でもわかってくるので、書ける分量は飛躍的に増えていきます。

 

 

§2 「ノリノリで書けている状態」に注意

 注意してほしいのが、「あ~私もある!修学旅行の思い出などを作文させられたときに、書き始めは全然書けなかったのに、途中から乗ってきた感じ!あれでしょ?」と思わないでほしいということです。2点間違っています。

 まず、「修学旅行の思い出」や「読書感想文」などの文章の種類は、「随筆」または「感想文」と呼ばれるもので、「論文」というものとは、求められているものが全くと言っていいほど違います。ですから、「随筆」や「感想文」が途中からノリノリで書けるようになることと、「論文」がノリノリで書けるようになること(ノリノリになるかどうかわかりませんし、その必要もないと思いますが)は、体験としては全く別のものになるであろうということです。

 次に、「途中から乗ってくる感じ」というのは、私の体験から言っても、「本来なら注意すべきことを注意できなくなる状態」に近いです。簡単に言えば「暴走している」に近いことが多いです。随筆や感想文のような文章は、あなたが感情として感じたことや、できごとそのものをかなり詳しく書いてもプラス評価されることが多いので、暴走している状態でそれらを書いても、その結果は大してマイナスにはならず、逆にプラスになることも多いです。特に読書量の多い生徒さんの場合は、いろいろな語いや表現方法を読書の中で知ってきたせいで、暴走して書いているだけなのにかなり高い評価を得ることが多いです。

 しかし、論文という種類の文章は、随筆や感想文とは全く違い、常に「読者からのツッコミ」というものを、強く強く意識しなければならないタイプのものです。課題文を読みながら、資料を分析しながら、下書きをしながら、そして清書として原稿用紙を埋めているときも、常に

「読者は私の文章にどういうツッコミを入れてくるだろうか??」

と自問自答し続けることが求められるのです。常に自問自答しながらノリノリになるという精神状態は、少なくとも私にはないので、そのようなことが可能なのかどうかわかりません。ただ、おそらく一般的には、ノリノリになっているときには自問自答をやめてしまっていると思ってもおかしくないであろうと言えると思います(ここは「私の経験」しか根拠がないので、根拠不足についてはご容赦下さい)。ですから、小論文における「途中から乗ってくる感じ」というのは、「今まで体験したことのない感覚である」と思っていただきたいと思います。

 

 

§3 字数よりも、とにかく内容を優先して

 話を本筋に戻します。小論文に自信がない生徒さんほど、まずは内容が良くなることを意識して書いて下さい。私もライブ授業では特に一学期は字数について制限を設けないことがほとんどです。一学期から「字数上の減点」をもらい続けると、その生徒さんは「どうせ内容やレベルはみんな同じだろうから、とにかく字数だけでも埋めよう」という発想になり、その結果の一つが、第0講でも扱った「樋口式4段構成」などにすがりついてしまうのです。そういう姿勢のままでは、いつまで経っても「内容」は良くなりませんよ、と私はここで言っています。

 常に自問自答をしながら、そろりそろりと行を埋める作業を続けることで、自分の書きたいことが「カタマリ」として頭に浮かび上がってくるようになります。それを「段落」とすれば良いのです(段落論についてもまた機会を作って説明しますが)。

 

 

§4 小論文を「マスター」するのにかかる時間と労力はどのくらい?

 内容優先の気持ちで小論文を書き続けると、具体的にどのくらいの回数や時間で字数がうまるようになりますか?という質問もよく受けます。生徒さんによります。早い生徒さんは、3回目の執筆くらいで、設定されるであろう最低字数はクリアできるようになります。遅い生徒さんは、書き直しや、添削者からのコメントを次回の執筆にうまく生かせないようで、軽く10回以上かかる場合もあります。

 ハイ「ええっ!!そんなにかかるの?」と驚いた生徒さん、いるでしょ?いえいえ。これでも「他科目」に比べれば、マスターするための時間や回数はかなり少ないです。

・1回本気で書く=3時間、解説や添削を読み、考えながらもう一度書く=さらに3時間

と設定しても、1回分にかかる時間は6時間です。これが最大で10回程度と考えれば、

・6時間×10回=60時間

しかもこれ、年間を通してですから、小論文は、英語や数学、物理や日本史に比べれば、はるかに短時間でマスターできる科目と言えるでしょう。

 ただ、現実には、特に推薦対策で小論文のレクチャーを受ける生徒さんに多いのですが、「推薦入試が来週なのでポイントを教えて下さい」となってしまう場合は、当然のごとく残念な結果になることが多いせいで、特に推薦入試では、「小論文が怖い」という「伝説」だけが後輩に語り継がれることが多いようです。

 あるいは、今でもほぼ全学部で小論文が課されている慶応大学の小論文対策でも、どこで聞いたのかは知りませんが、「慶応では小論文は採点しない」という「デマ」を信じ込まされて、直前の時期になるまで小論文を全く書いていないという生徒さんもけっこう多いです。こういう生徒さんも、直前に60時間割いて小論文をやろうとは思えないでしょうから、結局入試当日まで、小論文に対して自信がもてない、という生徒さんが多いことにも納得ができます。

 逆に言えば、推薦対策だろうが慶応対策だろうが東大後期対策だろうが、少なくとも高3の春から定期的に小論文を書き、それを添削してもらい、もう一度同じ問題で書き直すという習慣を2週間に1回でも続けてくれれば、急遽推薦を受けることが決まったときにも、あるいはなぜか東大後期に自分の全てを賭けなければならなくなったときにも、落ち着いて対処ができるはずです。しかも、小論文という科目は、大学に入ってから一番役に立つ科目だと自信を持って言えるわけで(第0講の前半参照のこと)、これ以上「備えあれば憂いなし」の科目もないと私は考えています。ぜひ、早めの対策をと勧めておきたいです。

 

 

<第1講 まとめ>

1-1 「まず字数が書けるようになってから」と思っても、内容が良くならなければほとんど採点されない。「まずは内容が良くなってから、その後に字数を埋めるテクニックを学ぼう」という気持ちで小論文を書いてほしい。この講座では、初~中級者までは、字数については加点も減点もしない姿勢で添削をする。

 

1-2 推薦も含めて、入試直前になってから慌てて小論文対策をしても、ほとんど成長は期待できない。書き直しも含めて、10種類程度の問題に本気で取り組まないと、小論文を合格レベルに引き上げることは難しい。

 

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